最近手元供養や散骨など供養方法の選択肢が増えたことで、分骨という言葉を耳にする機会が増えたのではないかと思います。
それで今回は分骨についてまとめてみました。
分骨の概要
分骨とは遺骨を分けることです。
故人の遺骨を分けて持ち帰り、それぞれで保管・供養します。
分骨する目的は?
分骨の目的は大きく分けて3つあります。
- 家族や親族で分けるケースです。兄弟・姉妹が両親の遺骨を分骨してそれぞれで保管・供養する場合もこれにあたります。
- 宗教上の習わしに沿うことです。浄土真宗では故人の喉仏を本山に納めるという風習があります。
- 複数の方法で供養する場合も分骨します。遺骨の大部分をお墓に納め、一部をペンダントに入れて持ち歩いたり、散骨する場合などがあります。
分骨するタイミングはいつ?
分骨するタイミングは火葬後と改葬する時が多いです。
火葬後に分骨する時は、お骨上げ(=火葬した遺骨を箸で拾い骨壺に納めること)して親族がそれぞれ遺骨を持って帰ります。
移設やお墓じまいなどの改葬時に分骨するときは、お墓の中に納められている遺骨を取り出して新しい墓地や納骨堂などの分けて保管されることがあります。
分骨する際の注意点
分骨する際には以下の点に気をつけましょう。
- 遺骨の所有権限者の許諾、家族の同意が必要
地域の習慣、宗教的価値観で分骨に対する考え方は大きく違います。無断で分骨をすると揉め事に発展する恐れがありますので、必ず所有権限者の許諾、家族の同意を得るようにしてください。
- 本山納骨は取り出せない
宗派によっては遺骨の一部を分骨して本山に納骨する風習があります。
本山納骨は合祀(他人とひとまとめにして供養すること)が一般的です。一度納骨してしまうと取り出すことは難しいので、分骨して本山納骨する場合はよく検討するようにしてください。
分骨の宗教的意味
分骨してしまうと成仏できない、お盆に故人が戻る場所に迷うなど言われることがあります。
しかし、分骨した遺骨を本山に納骨する風習は古くからありますし、お釈迦さまの遺骨は分骨されて世界各地の仏舎利塔に祀られています。
分骨は宗教上も問題ないと考えて良いでしょう。
まとめ
価値観や生活環境の変化により、故人の遺志や残された家族の想いが実現しやすい世相となり以前に比べて分骨する機会も増えてきています。
分骨はちゃんとした手順を踏んで行えば宗教上の問題もありません。
分骨するときは、遺骨の所有権限者の許諾、家族の同意を得るようにしてトラブルなく行うことができれば良いですね。